ふたつの指輪
手持ちぶさたで、あたしはグラスを口に運んだ。


(おいしい――)


これは、お酒?


甘くておいしい。



て、あたし、未成年じゃなかったっけ?




落ち着かずに浅く腰掛けてたら、別のオトコマエがやってきて、あたしのとなりに座った。


「はじめまして。

オレ、太陽。

瞳衣ちゃんっていうんだって?

魁人のカノジョってホント?

すっげぇかわいいじゃん」


この人も、魁人くんに負けず劣らず王子様系。

魁人くんみたいな妖しい魅力じゃなくて、カラッとした感じの人。


すごいなぁ。いるとこにはいるんだ、こういう人。

あたしは思わず感心してた。
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