ふたつの指輪
……この延長のおかげで、今日はもう営業時間終わりだから。



(今日助かっただけで、明日はいよいよ、やらなきゃいけないけどね)



「ああ」


またしても黙り込む。



延長は30分。

さっきの40分は長く感じたのに、今度の30分はやけに短かった。





残り6,7分くらいになって、ふと低い声がした。


「……悪かったな、ひでぇこと言ったな、俺」


「ううん。

短絡的なのは、自覚してるから」


あたしは首を横に振った。



「……」



じっとあたしを見つめる黒い瞳を頬に感じる。

なんだか、頬が焦げるような気がした。



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