ふたつの指輪
1年半ほど前に初めて出会った頃の、コドモコドモして、まだあどけなさの残っていた表情は、もうすっかり消え失せてた。



この1年半の時間は、瞳衣をすっかり大人にした。


今や立派なひとりのオトナの女だ。



長かった髪は短めに切って、ゆるやかにウエーブがかかっていた。


それがまたいっそう大人っぽく見えて、はっとするほどきれいだった。




(しかし、2年も経ってないのか――)



まるで、何十年も経ってしまったみたいだ。


あれから。
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