ふたつの指輪
ウェーブがかった茶色の髪にふちどられた、女のようにきれいに整った顔。

いつも微笑みを絶やさない、白いなめらかな頬。

意味ありげな流し目を左右に投げて。


やけに細い体に、流行のファッションを少し崩し気味に、嫌味ったらしく着こなしてる。




自分の魅力がよく分かってて、自意識過剰で。


自分にホレる女は1km先からでも察知できる。



――そういうタイプの男。




一見してホストかそのたぐいの職業とわかる男だった。


こういうやつは、飲み屋街にうろちょろしてる。



その中でも、こいつは多分かなり目立つヤツだ。
< 284 / 331 >

この作品をシェア

pagetop