ふたつの指輪
「……言わせたいんじゃなくて、聞きたいだけ!」


気のせいか、ちょっぴり照れてるようにも見える。

もしかして、照れてるのかな?



「おまえなぁ、一応俺は年上なんだ、丁寧語くらい使え」

「年上って、いくつ?」

「26」


26歳なんだ。


「27くらいかと思った」

「アホか、26も27も同じだろうが」


……大体見た目どおりってところ。



って、あれ?


いつの間にか年の話になっちゃった。



どうしてあたしを指名してくれたのかは、聞けずじまい。


多分、大した理由なんて、ないんだろうけど。




尊さんは、そしらぬふりでお茶を飲んでた。
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