私の夢と、彼の事情
と思いながら、ぼんやりして猫に手を
伸ばしていくと、驚いたことに、猫は
まったく逃げようとしない!

私の手はついに猫の背に達し、信じられ
ないことに、私は猫を本当に撫でること
ができた。

そんなことは、ほとんど10年ぶりくら
いだと思う。驚きつつ、喜びつつ猫を
撫でる私の顔を、

灰色の猫は賢そうな青い目で私を見つめ、
「ニャー」と鳴いた。

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