私の夢と、彼の事情
「え? そうかな。・・そうでもないよ、
 動物が好きなだけ」

笑顔でそう言う友人を、どこか疑わしげ
な目で見ながら、

「でもあんた、最近猫にも話しかける
 じゃん?

 あんた、猫に嫌われてなかったっけ
 ・・?」

と咲はつぶやく。このところ、この
友人は妙に明るくなったし、何より、

あれほど嫌われていた、というか、
避けられていたはずの猫たちが、気が
つけば佐奈のそばに寄ってきていたり
するのである。

どうも不思議でたまらない、と、咲は
なんだか混乱気味なのだ。


腑に落ちない表情の咲を、佐奈は
「まあまあ」と促して、2人は早足で
学校に向かった。
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