a☆u★c〜全部請け負う部活動!!〜


ドターン!と騒がしく扉を開ければ、職員の視線を一身に浴びることになるのだが、そんな事は知ったことではない。

本郷は元より、注目されることは苦手ではないというか、自分が皆に痛いほど視線を向けられていることに気付かない。

そのまま気にせずずんずん進んでいった。


楡の机の前で止まると、彼は今度は何?とでも言いたげに首を傾げ、座っているので必然的に本郷を見上げた。

本郷は生徒会から貰ってきた(奪ってきたとも言う)、部活動設立願と書かれた紙を楡の机に叩きつけた。




「新しい部活を作りたいんです、先生!」


本郷は透き通る声で言った。

楡は机に置かれた紙切れを見ながら、キィと高い音を立てながら背もたれに体重を預ける。


「部活動設立に関しては、まず第一に部員が5人以上揃って初めて同好会として認められる。
その後試合や活動で実績を残し、部員もそこそこ居て、学校に認められてそこで部活になるんだ。
君一人で騒いだ所で、俺にはどうしようも無い」


静かで、耳を澄まさなければ聞こえない程の音量だが、強い口調で楡は言った。






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