a☆u★c〜全部請け負う部活動!!〜






* * * * *




春休みに入った。

aucメンバーの2人は、相変わらず部室に集まって依頼を待ち、何もなければ楡を呼び、だらけて遊ぶということを繰り返していた。

時折、五月女が思い出し笑いを始めるので、明衣はそれが不愉快で堪らない。



それは、卒業式の後のこと。
本郷が五月女に一つの提案をする。

『今度何処か出かけましょうか』

『あ、良いですね。皆で…』

『もう、何言ってるのよ』

にぶちんね、と言いながら本郷は唇を尖らせる。

『2人で、に決まってるでしょ?』

『それって…デートってこと……じゃ…』

『…っこのバカップルがァァ!!!!』



……ということがあり、それ以来、五月女は少々浮かれ気味であった。

トランプで大富豪に興じていた三人のもとに、内線電話から一本の連絡が入る。

楡が出て、適当な相槌の後に電話を切り、二人に向き直る。


「バスケ部からの依頼で、ボール磨き手伝ってほしいんだと」

「雑用じゃねーか!!」


明衣が思わず怒鳴ると、五月女がニヤケ面のまま宥める。


「まぁまぁ。とりあえず暇だし、行こうよ」

「しょーがないなぁ」

「俺は仕事に戻るね」

「んなっ!!逃げんな楡!!」


わいわいとにぎやかに体育館に向かう。

時にはこんな雑用のような依頼がある。


「失礼しまーす」

「あっ、来た来た!ごめんね、こんなこと頼んで」


それでも、彼らは依頼の全てを請け負う。


「全然オッケーですよ!」

何故ならそれが、


「あたし(俺)達、何でも請け負う部活動、a☆u★cですから!」







end


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