a☆u★c〜全部請け負う部活動!!〜
皆それぞれ主食とおかずに手を出し、嬉しそうな表情で「美味し〜!」と言った。
楡は表情こそは変えないが、何処か安心したように息を吐く。
「庶民の味だなんて、そんなこと無いわよ!家のコックと良い勝負してる!」
「私今まで一緒にaucやってきたけど、先生が料理巧いって初めて知りました」
「先生良いお婿さんになりますよ〜!」
「外で食べるから美味く感じるんだろ…」
上から麗、本郷、五月女の順に、楡の料理を絶賛する。
楡は誉め慣れていないのか、照れたようにそっぽを向いた。
「この生姜焼き美味しいわね。何の肉を使ってらっしゃるんですか?」
「……スーパーの安売りの豚肉だけど」
何でもお嬢様トークに持っていく華に、楡はやっぱりついていけない。
おそらく、こうして動物園の草っ原にレジャーシートを敷き、庶民の弁当などは口にしたことが無かったのだろうな、と思った。
「悔しい……悔しいけど美味しいわ…楡のくせに…」
「……そりゃどうも」
明衣は悔しそうに唇を噛みながらも、華が絶賛していた生姜焼きを口に運んだ。