a☆u★c〜全部請け負う部活動!!〜
ワイワイと楽しく食事を終え、全員で貪るように食べ尽くしたお陰か、すっかり荷物は軽くなった。
皆は満足したように「御馳走様でしたー!」と合掌すると、レジャーシートを畳んで立ち上がる。
本郷がパンフレットを見ながら麗に声を掛ける。
「後はメインのゴリラ見て、遊園地で軽く遊んで帰ろっか♪」
「遊園地も良いの!?」
麗は嬉しそうに目を輝かせ、本郷にそれを向ける。
本郷はにこりと微笑んだ。
「勿論。あなたの為に、フリーパスを用意したのよ」
「嘘!?嬉しい!」
麗は感極まって、本郷に飛び付いた。
華は元気に年相応にはしゃぎ回る麗を見て、依頼して善かったと心から思った。
五月女がその本郷の言葉に突っ掛かるようにして叫んだ。
「えーΣ!?フリーパスなんていつの間に!!俺の分は有るんですか!?」
「先生が予約してくれてたの。ちゃんと全員分有るわ」
呆れたように答える本郷に、明衣は眉を寄せた。
「え??楡が?」
「そうよ。今回は私がプラン立てて、良祐が動物園の情報調べて、先生が無料券とかフリーパスとか手配してくれたの。
依頼人は勿論、私達も楽しめるのよ?最高の部活でしょ?」
明衣は綺麗な笑顔を向けて答えた本郷の言葉が、何と無くショックだった。
───あたし……何もしてないじゃん………
「ほら、ゴリラ見に行こ!」
麗に手を引かれ、明衣は我に返る。
それでも、役に立っていない自分に、何と無く腹が立った。