a☆u★c〜全部請け負う部活動!!〜
食事を終えた子ゴリラは、黒いガラス玉のような瞳で、じっと明衣を見つめていた。
明衣は思わず胸がキュンとして、その目を見つめ返した。
──成る程、麗の気持ちが判らなくもない、子ゴリラ可愛い。
明衣は麗に負けず劣らず、だらしないくらいに頬が緩み切っていた。
「可愛すぎるー!いくらかなぁ……」
「だから何でも買おうとするなよΣ!!」
麗は子ゴリラを見ながら考え込むように目を細めた。
それを見た明衣は、危ないお嬢様の思考に素早くツッコミを入れた。
「もう、麗ったら可愛いものには目が無いんだから♪
動物園の動物を買うなんて、幾ら何でも無茶よ」
「お前もな!!」
苦笑する華に、疲れ切ったような表情でツッコんだ明衣は、お嬢様トークに頭痛がした。
「さっきから明衣ちゃんピリピリしてない?」
「誰のせいだよ……」
五月女が心配そうに尋ねれば、げっそりとした彼女は呟くように答えた。
──どいつもこいつも何なんだ〜!
明衣は、心の中で嘆いた。