a☆u★c〜全部請け負う部活動!!〜
ep2*段ボール・ベビー


湿った重い空気が辺りを包む。

しとしとと降り注ぐ雨が、学校生活の疲れを助長した。


「……あ"ー」


そんな怠さMAXの状況で、部室のソファーに寝そべっていた明衣は、ゴロンと寝返りを打ちながら呻く。

湿気で丸まった毛先が、革製のソファーにパサリと散らばった。


「なんか雨の日ってテンション下がるよねー…」


本郷もめずらしく、デスクでダラリと突っ伏していた。

二人の溜息が図らずも重なり、更に空気は重くなる。


「大体依頼も依頼よね。赤坂姉妹事件から今までの依頼といえば、校庭の草毟りじゃない。
一日中こき使っといて、一人頭三千円って何つー神経してんのよ……」

「仕方無いのよ……一応学校の部活ってことになってるから、部費程度の報酬しか入らないの」

「労働基本法に背いてるよ」

「…明衣ちゃんから法律の名前が出るなんてびっくり…」

「さらっと毒吐きましたねー先輩……」


殆ど呻き声に近い声で会話する二人。

五月女はパソコンと睨めっこをしていた。





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