a☆u★c〜全部請け負う部活動!!〜


そんな穏やかな両親に育てられた良祐も、滅多なことでは怒らないし、常に笑顔を絶やさない、両親の良いところを受け継いで成長した。

二人の願いは、何の苦労もなく、彼に押しつける迄もなく、自然に息子・良祐へと伝わっていたのだろう。

言葉にしなくても、伝わる絆。


良祐は、いつも感謝の気持ちを忘れずに生きてきた。

実の子供のように可愛がってくれるご近所さん、仲良く遊んでくれる友達。


勉強や道徳を教えてくれる先生や、自分の立場になって一緒に悩んでくれる先輩。



そして、自分を産んでくれた母、それを支えてくれた父。

「あなた、産まれた時すぐに泣かなかったのよ。みんな焦っちゃってね。お医者さんが、良祐を助けてくれたのよ」

蘇る、母の言葉のなかに出てくる、お医者さん。


今、自分はたくさんの『ありがとう』の中で生きているのだ。




『ありがとう』は、お金もいらないし、特別何かが必要なわけじゃない。


ただ、感謝の気持ちがあって、それを伝えたいと思う心があって、



『ありがとう』

って、言いたいんだ。




みんなみんな、『ありがとう』





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