Magic Academy ~禁書に愛された少女~
「あはは、そらってばなにやってんのよ」

アッシュが手を引いて立ち上がらせてくれた。苦笑しながら、お礼を言って、そらは服についた泥を払った。

「うーん…とくになんにもなさそうだな」

うみとドルイドがそう言ってあたりを見回していると、そらが、1つの小さなマンドレイクが光っているのに気づいた。

「ねね、このマンドレイク、なんか光ってない?」

3人に声をかけるが、3人とも、そらの声に気づいていないのか、反応がなかった。そらは再度、マンドレイクの方を見る。
と、確かにマンドレイクは光っていた。

「マンドレイクって、自分で引っこ抜いたら死んじゃうんだっけ?」

ボソッと呟くと、シークが笑って言った。

「それは迷信だ。そんなこと、あるわけないだろ」

くくっと笑うシークに、恨めしそうにそらが反論した。

「だって、教科書に書いてあったんだもん」

シークはあぁ、と笑いながら答えた。

「マンドレイクってのはな、栽培に時間が少しかかる上に、毒にも薬にもなる薬草なんだ。ちょっとした興味本位なんかで手を出すには、少々危険でもあるからな。だから、簡単に手を出さないよう、そうやって、教科書には記載してあるんだろう」

シークの言葉に、そらはなるほど、と、納得していると、可愛い女の子の声がした。
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