Magic Academy ~禁書に愛された少女~
「どうしたんだよ、そら」

うみに言われて苦笑いをうかべた。自分でもよくわからないが、なんとなく、声が聞こえてきた気がして、気がつけば、呪文の詠唱とは違う言葉を発していた。

「でも、魔方陣は光ったし、成功したと思ったんだが」

ドルイドに言われてそらも唸る。確かに、正直、自分でも成功したのかと思ったのだ。

「ねぇ、そら。そのピアスどうしたの?そんなのつけてたっけ?」

アッシュに聞かれて、そらは首を傾げた。

「わかんない」

そらの言葉に3人が首を傾げた。

「わかんないって…なにそれ」

言われて、そらは頭をかきながら答えた。

「それが、気づいたらしてたっていうか」

そらの言葉に、さらに3人は首を傾げる。

「気づいたらって…んなわけねーじゃん」

言われて、そらも少し困った顔をする。

「だってほんとにわかんないんだもん」

そう言って、ピアスを外そうとする。

が。

「…外れない」

呆然とするそらに、ドルイドがまさか、とピアスを外そうと、そらの耳をみる。

「これ、どうやって外すんだよ…」

前からみると、綺麗な羽の形を型どったチャームがみえる。後ろには、あるはずのキャッチがついてなく、チャームからのびたシャフトの先は、3本に枝分かれしたシルバーが、まるで鳥のあしのような形をして耳から外れないようにがっちりとつかまっている。

「どうやってつけたの?」

アッシュに言われてふるふると頭をふるそら。

「だから、気づいたらついてたんだってば」

そらは困惑した表情で答えた。
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