禁じられた遊び
「離してよ!」

「40万じゃ、不満?
なら…50万出すよ」

「どこからそんなお金が出せるのよ」

「頑張るよ」

「何を頑張るのよ…んっ」

克波が私の耳たぶを噛んだ

克波の指が、私の体を這う

身体がゾクゾクして、呼吸が荒くなっていった

「誰にも渡したくないんだ
小花を…オヤジにだって譲りたくない
俺の全財産がなくなっても良いから、小花を守りたい」

「やめてよ
そういうの、私が嫌いだって知ってるでしょ」

「知ってる
だから3月まででいいんだ
小花が自由になるまで、俺に守らせてよ
絶対にオヤジから守るから」

私の胸を触る克波の手を、私は強く握りしめた

桃香ちゃんを送るって言ってたのに、戻ってくれたのが嬉しかった

『守る』っていう言葉にも、心がくすぐられる

同時に、克波に身を任せてもいいの?…という疑問もある

不安とかじゃない

お母さんと同じになってしまうのではないかって

私、意地になり過ぎている?

でも、都合の良い女になんかなりたくないの

「殺されるよ
私のお父さんみたいに……」

「殺されそうになったら…俺がオヤジを殺してやるよ」

「え?」

「冗談だよ」

ふっと克波が笑う

息が耳にかかる

……そうだよ

克海に逆らったら、克波はつらい思いをしてしまう

小山内君なら、九条家より強い権力を持っているから…克海の手が入らないけれど

克波は……克海の息子だから

きっと克海の良いように、罰を与えられてしまう

それでいいの?

平気なの?
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