禁じられた遊び
マンションのエントランスを腕を組んで歩いた

エレベータに乗ると、小山内君の手が私の腰にいった

「本当にいいのか?」

小山内君がぼそっと質問してきた

私は頷く

「私は、小山内君が好き
克海のところにはもう戻りたくない」

「わかった
全力で、小花を守るよ」

『守る』

心の奥がちくっとした

『小花が自由になるまで、俺に守らせてよ
絶対にオヤジから守るから』

克海から解放されるには、小山内君のほうが力強い

別に
克海から逃れたいからって、小山内君を利用するわけじゃない

違うわ

そうよ、違う

私は小山内君が好き

ずっと好きだった

落ち着いていて、優しくて、温かい心に惹かれた

九条家の男たちとは、真逆のタイプで惹かれたの

私は小山内君の肩に寄り掛かった

小山内君の体温が、頬に伝わってくる

温かくて、気持ちが良い

これからは小山内君に甘えよう

小山内君なら私を大切にしてくれる

克海みたいな乱暴なことはしない

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