禁じられた遊び

小花Side②

「今日の生徒会は早めに切り上げよう」

テーブルに置いてあるコーヒーを啜った勇人が、口を開く

私はパンに噛り付いまま、勇人の顔を見た

「服とか…二人で買いに行こう」

「あ…うん」

勇人と一緒に買い物かあ

ちょっと嬉しいかも

デートってことだもんね

そういうのやっとことないから、放課後が楽しみだな

空になった私のコップに、家政婦が牛乳をそそいでくれた

昨日はずっと勇人の腕の中で過ごした

朝、家政婦が朝食を作りに来るまで勇人と一緒にベッドの中にいた

幸せだった

もっと早くに甘えていればよかった

変な意地を張らないでいればよかったかも

玄関から、荒々しい音がした

力任せにドアを閉めると、ドンドンと廊下を歩く足音が響く

「ちょっと失礼するわよ」

長いストレートの髪を掻きあげると、貴美恵さんが仁王立ちでダイニングのドアに立った

「貴美恵さん!」

私は席を立つと、一歩後ろに下がって頭を下げた

貴美恵さんは、勇人の婚約者だ

誰かから、情報が流れたのだろうか?

「朝からうるせえよ」

勇人が驚きもせずに、コーヒーを飲む

「うるさい?
そんなのはどうでもいいのよ
私、桃ちゃんを守るように言ったわよね?
どうして体中の痣が増えてるのよ!」

『桃ちゃん』?
もしかして桃香ちゃんのこと?

どうして貴美恵さんが、桃香ちゃんを知っているの?

「すっごい痛そうだったわよ
歩くのだって大変そうで、これはすべてあんたのせいじゃない」

「俺のせい?
あいつが良太郎のいる家に帰ったんだ
ああなるのを覚悟で帰った女の痣に、いちいちうるせえんだよ」

勇人が眉の間に皺をよせて、低い声で口を開いた

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