禁じられた遊び

小花Side③

「呼び出して悪かったな」

2限の休み時間に、克波からメールがきた

『話がある』って

昼休みに生徒会室で会う約束をして…私は生徒会室の椅子に座って克波がくるのを待っていた

克波が室内に入ると、明るい笑顔を見せた

でも顔には痣がある

目の上にある痣が、すごく痛々しい

これが、今朝、貴美恵さんが言ってた怪我のことだろうか?

私は自然と手が伸びる

克波の頬に触れようとすると、克波が顔をそむけた

「勇人さんのところにいるんだろ?」

「え?
あ…うん」

克波が私のとなりにある椅子に座ると、視線を窓に向けた

「俺さ、昨日、家に帰ってねえんだ
だから、オヤジの様子とか知らねえんだけど、携帯に電話がかかってくるとか…平気か?」

「うん、平気
昨日は5、6回あったけど、着信拒否にしたら…かかってこなくなった
昨日、帰ってないって?」

「あ? ああ…久々に遊びまくった
クラブに行って、酒飲んで…途中から記憶がねえんだけどさ
朝、気がついたら体中が怪我してて…こんなんで家に帰れねえから
テツさんの家に乗り込んだんだ」

肘をついて、私とは目を合わせずに克波は笑い声をたてた

克波の作り笑いなんて見たくないよ

それにどうして嘘をつくの?

昨日は桃香ちゃんとホテルに行ったんでしょ?

ラブホテル

そこで一晩、一緒に過ごしたんでしょ?

貴美恵さんから聞いたんだから、知っているよ

勇人だって知っている

なのに、どうして嘘を言うの?

怪我だって、酔ってつけたものじゃないでしょ?

良太郎と喧嘩したんでしょ

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