禁じられた遊び

小花Side①

早朝から、小山内君から電話があった

授業には出なくていいから、生徒会室にいろって

どこに行くにも、絶対に一人になるなって言われた

小山内君が用意したボディーガードたちが、生徒会室のドアの向こうで私たちを守っていた

トイレに行くにも、ボディーガードがついてくる

こんなに厳重にして…克海の脅威を感じた

小山内君も警戒をしている

権力なら、小山内君の家のほうが上だと思うけれど

それは小山内君の父親と克海を見たときであって

小山内君と克海を比べると、克海が上になってしまうのかもしれない

「授業を受けろって言われてもさ、きっと集中できねえけどさ
授業受けるなって言われても…持て余す時間をどうすりゃいいんだよって思わね?」

生徒会室の部屋で、くつろいでいる克波が口を開く

克波は椅子に座って、つまらなそうに肘をついている

窓の外を眺めていた桃香ちゃんが振り返った

「勇人さんは何をしているんでしょうか?」

「知らねえよ
オヤジとなんか話してるんだろうよ
…て、桃、骨折のこと話しただろ」

「え? …あ、えっと、つい」

桃香ちゃんが苦笑をした

「ま、いいけどさ
西岡の件、新聞に載ってなかったな
これも勇人さんの力か?」

「わからないよ」

桃香ちゃんは首を横に振った

「西岡の件?」

私は首を傾げた

何を話しているのかわからない

「ま、西岡家でごたごたがあってなぁ
ちと、警察が…来た」

「ええ?
じゃあ、桃香ちゃんは昨日どうしたの?」

私は驚いてつい大きな声を出してしまった

「ん…勇人さんと」

桃香ちゃんが小さな声で説明をしようと口を開く

「とうとうヤッちまったと…」

「ヤッてない!」

桃香ちゃんが顔を真っ赤にして、克波の言葉を否定した
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