禁じられた遊び

桃香Side③

あたしはピアス男の家の浴室を借りた

一人暮らしだって言ってたけど……

家族で住めるくらい部屋数もあるし、広さもある

こんなところで一人暮らしってあたしには考えられない

ママと二人で暮らしていたアパートより全然広いマンションでピアス男は一人で暮らしている

どんな家の出なのだろうか

金持ちの暮らしって……さびしいな

え…?

ええ?

シャワーを借りて、脱衣所に出るなり、あたしは自分の目を疑った

服が…ない

どうしよう…

…てか、身体を綺麗に洗ってまたあの汚れている制服を着たいとは思わないけどさ

でも、何も身につけるモノがないっていうのも困る

『あ、出たか?
まだあいつらが来てねえんだ
タオルでも巻いて、寝室で待ってろ』

はい?

ドアの向こうから、ピアス男の声がした

寝室って?
どういうこと?

助けた礼に体を貸せ?とか…言わないよね

もしかして良太郎と同じことをしようとかって考えてないよね

あたしの胸の奥が、苦しくなった

安易な行動をしたかもしれない

良太郎に強姦されて、先生にバレそうになったところを助けてくれたから

勝手に良い人だと思いこみすぎたのかも

ピアス男だって、所詮『男』にすぎない

下半身でしかモノを考えられない低俗な男なんだ

目的はいつも一つしかなくて、目的を達成するためにはどんな手段も使うんだ

時には紳士に振るまってみたり、ときには強引に……

女の足を広げさせるために…馬鹿なことをしか考えない

あたしは……もっと馬鹿だ

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