禁じられた遊び

桃香Side②

制服の中で、携帯が鳴った

バイブにしておくのをすっかり忘れてたよ

あたしは携帯を出すと、画面を見つめる

勇人さんからのメールだった

『終わった
九条家当主は克波になった
克海は警察に捕まったから、もう恐れるのもは何もない…と馬鹿どもに伝えておけ』

「メール?」

小花さんが質問してきた

心配そうな顔している

あたしは頷くと、小花さんに携帯を見せた

「勇人さんからです」

「え?」

小花さんが驚いた声をあげた

「…んで、俺でも小花でもなくて…桃にメールしてくんだよ」

克波君が不満そうな声をあげながらも、携帯を眺めた

「…たく、本当に一人で解決しやがった」

克波君がため息ととにも寂しそうな顔をした

「克海が、警察に?
信じられない」

小花さんが驚いていた

克波君のお父さんと、そんなにすごい人だったのかな?

警察に捕まるなんて想像させないくらいの人だったの?

あたしは、わからないから

聞きたいけど、聞かない方がいいんだろうなあ

ほっとしている小花さんの顔が、すごく幸せそうだ

克波君も、複雑な顔だ

父親が捕まったけど、愛した女性が父親から解放された…悲しいけど、嬉しいってところなのかな?

「俺が、九条家の当主かよ……マジかよ」

え?

あれ?

お父さんのことは悲しくないの?

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