禁じられた遊び
小山内君は眼鏡を押し上げると、私のことを睨んだ

怖くないもん

「桃香ちゃんって胸が大きいし、可愛いし
とっても良い子だからさ
きっとすぐに良い人を見つけちゃうと思うよ
小山内君がきちんと、想いを伝えて
ちゃんと繋ぎ止めておかないと……桃香ちゃん、誰か知らない男の物になっちゃう」

私の言葉に、小山内君はまた喉を鳴らす

「小花、性格が変わったな」

「人は幸せになるとさ
自信が持てるようになるんだよね」

「良いことじゃねえの」

「うん
良いことだよ
だから小山内君も……」

「俺はいつでも自信をもって行動をしている」

強がり!

本当は桃香ちゃんのことが好きなのに

どうして隠すの?

誰にも渡したくなくて、『メイド』とか言って桃香ちゃんを縛りつけてるのに

あと一歩じゃない

桃香ちゃんと気持ちを確かめあえるの……

「ま、いいか
桃香ちゃん、最近仲良くなった男子がいるって言ってたなあ
きっとその子と付き合うんだろうね」

「そうやって俺を騙すのはやめろ」

私はにっこりとほほ笑むと、小山内君から離れて行った

1年生の教室の前に、中間試験の成績が発表されていた

そこに克波が立っていた

『1位 九条 克波』

と掲示されているのを満足そうに克波が眺めていた

「克波もすごいね」

「小花か
試験前に、試験勉強で焦るのはな~」

何それ

小山内君のマネ?

「あれ? 桃香ちゃんは?」

「最下位の方を見て、肩をがっくりと落としてるんじゃねえの?」

克波が指をさした

背の高い男子と並んで、楽しそうに話している

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