禁じられた遊び
「…わかったよ!」

克波が動きを止めると、投げやりな言い方をした

私の体から一度離れると、胸の天辺に白い液体を落とした

独特の臭いが、私の鼻腔を刺激する

とたんに気持ち悪くなる

この臭い
あまり好きじゃないんだよね


「今日は平気な日だろ」

克波がぼそっと悪態をついた

ベッドの上に座って、克波が口をへの字に曲げた

中に出せなかったのが相当の不満だったらしい

「平気…じゃないよ」

今、妊娠したら…私は九条家から逃げることすらできなくなる

私はティッシュと取ると、胸の液体を拭きとった

べとっとした感触が、さらに気持ち悪さに拍車をかける

すぐにシャワーを浴びたいけど……

最初は克波が浴びるから、もう少し我慢しないと

「平気だろ
生理が終わってまだ3日しか過ぎてないんだから
中に出したって、妊娠はしねえ」

克波がブロンドの髪をかきむしると、ベッドから降りた

エメラルドグリーンの克波の瞳が、私の視界から外れた

「シャワーを浴びてくる」

克波が大股で、浴室に入って行った

克波の背中からは苛立ちが流れ出ている

克波はいつも中に出したがる

危険日だって……私が嫌がらなければ、きっと中に出す気でいる

私はごろりと枕に頭を乗せた

床に散らばった制服を眺めながら、小花は重たくなった瞼をゆっくりと閉じていった


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