禁じられた遊び
「おいっ、起きろ
そろそろGPSで、居場所を探されるぞ」

あたしは頬の痛みを感じて、瞼を持ち上げた

うっすらぼやけて見える風景から、克波の顔がはっきりと見えた

克波はすっかり制服に身を包んで、鞄を小脇にかかえていた

私、寝ちゃった!

私は勢いよく起き上がると、ベッドを飛び出して、床に散らばっている制服を手にとった

「俺様は先に帰るからな」

克波の喉仏に響く低い声が、頭上から聞こえてきた

克波が抱えていた鞄の中から、ブランド物の財布を出した

黒い重苦しい財布は、高校1年生とは思えないほど、厚みがある

中を開けると万券の束が顔を出す

なんでこんなに持ち歩いているのよ!


「ほら、今日の代金だ」

万札を3枚
克波が私の鼻先に投げる

私の眼前を、万札がひらひらと空を舞いながら床に落ちて行った

さらに克波が1万円をベッドの上にたたきつけた

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