禁じられた遊び

小花Side③

「克波が落ち着きなかったのはこれね!」

私は、書類のファイルを見て呟いた

中身がバラバラじゃない

なんてことをしてくれたのよ

気に入らないことがあると、すぐに部屋を散らかすんだから!

片付ける身になってよ、もうっ!

私にバレないように必死にしまったのね

しかも桃香ちゃんまで巻き込んで

『お前、ホントにトロいんだよ!』
『…す、すみません』

部屋に入ってきたとき、二人の会話を私は思い出した

トロいのどっちよ

全く

桃香ちゃんにまで迷惑をかけて

…って私のせいなのかな?

ごめんね、克波

気に入らないよね

いきなり克海に乗り換えて、父親の愛人になったら

頭にくるよね

「まだ、いたのか?
1限、とっくに始まってるんだろ?」

会長室から出てきた小山内君が、私に声をかけてきた

「1限って体育でしょ?
股が痛くて走れませーん」

「最低な生徒だな」

小山内君が右端の口を吊り上げて微笑んだ

「本当に痛いの!」

「濡れずにヤッたのか」

「直球で聞かないでくれる?」

小山内君は会議室の椅子に座ると、背伸びをする

「…濡れなかったの、全然
だから痛かった」

「今度はジェルを用意しておいてやろう」

「自分で用意するから…」

「小花……無理はするな
つらいなら俺に言え
九条家を出たいなら、俺を頼れ
俺なら……」

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