先生、この気持ちはどうすればいいですか?
「それで、話なんだけど……」


結局先生も私も
カレーライスを買い、
適当な席に着いた。



「……ごめんな。
おれ、ひどいことしちゃって」


え?ひどいこと?


「真琴ちゃんがせっかく
おれを頼ってくれたのに、
きちんと聞いてあげなかったろ?
ごめん」


「シフトの話をしたとき、
ですよね?
あれは先生が
面談前だったから、
確かにゆっくりは
話せなかったですけど
……ちゃんとアドバイスを、」


「違う。
あんなの、
アドバイスじゃないよ。
いくら急いでたからって、
真琴ちゃんは
おれに話してるのに、
担任に言えなんて
言うべきじゃなかった」


私が無言で
スプーンを渡すと、
先生は苦笑いして
カレーを食べ始めた。


私も口に運ぶ。

ちょっと甘かった。



「ありがとうございます」

「へっ?」 

「そこまで考えてくれて、
嬉しいです。
だから先生、
もっと楽しい話しましょう?」
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