おいしい紅茶を飲む前に
「フレディ、あの、」


 真っ赤になったメアリーアンが、とても可愛かった。

王子様のキスよりよほど、彼女には絶大な効果があるらしい。

何か言葉を探し出そうとはしているけれど、きっとそれどころではないのだろう。
頭の中が。


 シェリルはこのままでは心臓に悪い気がして、視線をフレディへと持っていった。
だがしかし、そうしたところで、大して変わるわけではない。

どころか、効果の程はこちらの方が上かもしれない。

シェリルにとって、フレディは基本的にお兄ちゃんであって、その他の何者でもなかったのだから。
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