窓、ひらけば君と恋。

恋する図書館

あの大事件から数週間がたったある日のこと…



空が暗くなるのも早くなり、校舎の電気の明かりが目立っていた。


生徒も少なくなっていた。


そんな中、図書館に私と香奈、彩夏、森田くん。そして松原君が集まっていた。



「それにしても。暗くなるの早いね…もう夏も終わりなんだね」


彩夏が窓の外を見ながら、しみじみしていた。



「それにしても…課題テストの勉強しよう。なんて…香奈も積極的だよね〜」

彩夏が笑いながらイスに座り言った。


香奈は赤くなりながら、


「別に…いい点とりたいだけだよ」



そう言いながらも松原君を見ていた。



なんで私たちが図書館にいるのかというと。



香奈が課題テストの勉強を口実に放課後に図書館で松原君と一緒に勉強しようと言い出したのだ。
森田君も誘って…



私は複雑な思いで香奈を見つめていた。


香奈は松原君が好きだ。

だから、こうやって積極的に動いている。

でも私は…ただ松原君と香奈を見ていることしか出来ないでいる。


「だめだなぁ…」


「何が?」


えっ?


「なんだ…びっくりした。森田君か…ゴメンネ。放課後に付き合わせちゃって…」


森田君は私の横に来て、


「いいよ。こういうの楽しいし。それに…」



それに…?


「木村って松原のこと好きなんだろ」


そう言うと向こうに行ってしまった。


「知ってたんだ……すごいなぁ…私の好きな人も当てちゃったし…」



ていうことは…この複雑な三角関係も知ってるってことだよね…



「ハァー…なんか恥ずかしい…」


私は足を引きずりながらイスに座った。



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