共鳴り
「お前最近、マジで何考えてるん?
こんなんレナちゃんにバレるかもやし、キャバ嬢でも他に星の数ほどおるやろ。」


なのに何故、この女を選んだのか。



「どこの店だとか関係ねぇよ。
コイツが働いてんのが、たまたまレナと同じ店だった、ってだけだ。」


「…いや、けど…」


「だからお前にしか頼めねぇんだよ。
バレるもバレないもギンちゃん次第、ってな。」


笑えへんで。


確かに俺は今まであの店では誰も本指名にしてないし、清人はレナちゃんにバレないように、いつも通りあの子を指名しなきゃならない。


だからこそ、俺に協力してくれ、って言うてるんやろうけど。



「バレたらレナちゃんと終わるで、確実に。」


言った瞬間、清人はひどく冷たい瞳で俺を睨んだ。


そして、「どうすんだよ?」とすごんでくる。



「…わかったわ。」


それ以外の言葉がなかった。


根底には“俺は裏切り者やから”ってのもあったし、清人はそこまでのリスク犯してでも金を稼がなきゃならない理由があるんやろうから。



「…キヨ…」


清人は宙を仰いだ。



「俺さ、どんなに傷つけてもレナのこと手放せねぇんだよ、もう。
だから例えこれバレて終わったとしても、それはアイツのためでもあるから。」


「…そこまでするん、レナちゃんのためちゃうん?」


「罪滅ぼしのためだよ。」


自嘲気味に、彼は笑う。


わけもわからないのに、何故だか苦しさが増した。

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