共鳴り
いつの間にか外は真っ暗で、すっかり日付も変わり、キャバクラの営業終了の時間は近かった。


携帯番号は知ってるけど、俺が掛けても出てくれる保証なんてないし、本当は合わせる顔すらないんやけど。


でも、そんな場合じゃなかった。


清人はいつも、俺のために、俺の代わりに頭を下げてくれていた。


だったら俺は、そんなアイツのために、何をしたってレナちゃんを連れてきてやりたかったんや。



「どこ行くの?」


ちょうどのタイミングで声を掛けてきたのは、国光さんやった。



「俺、大事な用事あんねん!」


「そう。」


「今、俺が清人のためにしてやれることはひとつやから、ちょっとの間、アイツのこと国光さんに頼みたいねん!」


言うと、まるで何もかもを知っているような顔で、彼はははっと笑った。


やっぱり真剣に考えるのが馬鹿馬鹿しくなるような、そんなへらへら顔やけど。



「これ、渡しとこうと思って。」


そう言って彼が差し出したのは、清人のシャツ。


救急車の中で応急処置されてる時に、邪魔やからってびりびりに破かれたやつ。


べっとりとこびり付いた血の色に、思わず喉の奥が閉まるのを感じてしまう。



「早く行きなよ、大事な用事なんだろ?」


「…あぁ、うん。」


呆けていると、


「急いであの子を連れてきてね。」

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