共鳴り
泣きそうなほど、俺の声は弱々しかったろう。


けど、それでも俺は、たたみ掛ける。



「頼むから、俺の親友助けたってや!
もうこれ以上、誰かが死ぬの見んの嫌やねん!」


彼女は弾かれたように顔を上げた。


そして一度だけ瞳を伏せ、今度は決意したような顔でまた俺を見る。



「行くんでしょ?」


ありがとう、レナちゃん。


ひどく安堵して、彼女に車に乗るように促した。


レナちゃんは現実を噛み締めるように小さく体を震わせながらもそれを堪え、俺は一瞥しただけですぐに車を走らせた。


清人に生きていて欲しい。


もう一度目を覚まして欲しいし、それから今日のこと、ちゃんと伝えてやりたかった。


隣に座る彼女は、やっぱり清人と同じ瞳を持っている。



「俺の目の前で刺されてんで、アイツ。」


自嘲気味に、まるで独り言でも零すように、俺は口を開いた。


庇ってやれなかったことへの後悔、清人ばかりに苦しみを背負わせてしまったことへの罪悪感。


そんなものにさいなまれながら、一度息を吐いた。



「嶋さんのこと、庇うたんや。」

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