国王陛下は純潔乙女を独占愛で染め上げたい

炎に照らされて、子供のように無邪気な顔をしたアニウスが、

男の位置から、はっきりと見て取れる。



・・お前も、変わっちまったな、アニウス。



若い頃、崖っぷちに立たされていた、自分とヴェローナの仲を、

必死に取り持ってくれた義兄。


それは、決して権力を欲してのことではなかった。

妹の幸せを、ただただ純粋に願い、

狂王と評された自分の噂にも、流されることはなかった。


剣が好きな自分に代わり、政を一手に引き受けてくれた義兄。


“未来に希望の持てる国を創りたい”


そう、熱く語っていた彼は、一体どこへ行ってしまったのだろうか。



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