国王陛下は純潔乙女を独占愛で染め上げたい

自分の憧れだったレアが、チェルシーに向かうマリカを見送った日にかけた言葉。


『以前、ウルウ様に教えていただいたことなのだけれど』


そう前置きして、レアはマリカに語り始めた。


物事には、なんにでも光と闇があるということ。

光だけのものは存在せず、また同じように、闇だけのものも存在しない。

そして、光が濃いほど、闇もまた濃くなる、ということ。


『私にとって、最適な手燭の位置を考えるように、ウルウ様はおっしゃったの』


『それで、答えは出たのですか?』


『現在の答えはね、一つではなく、欲張って沢山の手燭を持ってみようかと思って』


『たくさん、ですか?』


『たくさんもって色んな角度から灯りを当てれば、たくさんの光と影が出来るでしょう?

一つの場所に立っていては、一つの光と影しか見ることはできないから』


でもね、と笑いながらレアは付け足した。


『それは、今の答えで、明日には、いいえ、この瞬間にも、答えが変化しているかもしれないわ。

灯りを消すのが、答えになってるかもしれない。だって、明るいと、よく見えないものだってあるでしょう?

だからね、あなたは、あなたの、あなただけの答えを見つけてちょうだい』


マリカは、そっと目を閉じた。

風に乗って、うっすらと潮のにおいが運ばれてくる。



・・私は、私だけの答えを、

きっと探して見せるわ。



決意を胸に秘めたマリカを応援するように、潮風が彼女の頬をやさしく撫でていった--。




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