魔女と魔獣
ママはパパに気があることを
どうしても認めたくない。


中学校の頃
パパと同じ塾だったらしい。

パパは残念ながら
高校受験日に高熱を出して
志望校に行けず
この学校の
特別進学コースに入学したらしい。


ママも受験に失敗して
ここの誰でも入れるクラス
(マサ代もだけど)に
入学した。



「私のマブダチが好きだったんだよね~」


「パ…柴田くんのこと?
美雪じゃなくて?」


ママの鼻の穴が広がった。

 ママは嘘つくと
 広がるんだな~~~


「それで?」

ママの話はこうだ。


マブダチがパパを好きになったけど
あの手この手で
アタックしても
パパは気付かない。
鈍感もいいとこだったと
ママはまるで
自分がされたように怒っている。



 わかりやすい人だわ~


パパが言う。

「ママは嘘つけないんだよな~
素直で可愛いんだな~」

デレデレ笑う。


どっちが
パパかママかわからないときもあるけど
いい夫婦だと私は思ってる。



 今頃悲しんでいるだろう


私の目が覚めないから。
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