魔女と魔獣
家の前につくと
黒塗りの車がとまっていた。


「あれは……」


真重が走りだした。



店に入ると
座っていたのは
真重の父親だった。



「おかえり。おじょうさん。」


おっさんは私の後ろにいる
真重に気がついた。


両親も真重に顔をやった。


「うちの息子です。
おたくのおじょうさんと
仲良くしてるらしいので。」


真重の肩を乱暴につかんで
店の中に押し込んだ。


「江口です。
はじめまして。」
真重はまっすぐ前を見据えた。


「あんた、なんで?」
母が私を怒鳴った。
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