ワケありな三人
「だからって、殴るのは別じゃないですか…。」





右田は顔をさすりながら反論する。





しかし、由佳がもう一度殴る構えを見せると、おとなしくなった。





「なにはともあれ、目標金額は達成したってことで、あとは逃走手段を考えるだけか。」





そう言って由佳を見ると、なにか気にくわない表情だ。





「いや無理。あんなバレバレな嘘で騙せるわけがない。」





「でも、確かにあさってまでには振込むと言ってました。」





右田は必死だ。
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