花が運ぶ風

悲しい過去

「花になら話してもいいかな?俺の過去。」


そういって
京くんは静かな声で話しだした。







京くんのお母さんが亡くなったのは
今から2年前の京くんが中2のとき。


「俺、あんま母さんと仲良くなかったんだ。」

「なんで?」

「仲良くなかったっていうか、俺中学入って結構荒れてたんだよな。
それですごい母さんに迷惑かけてた。」

「うん。」

「父さんは基本仕事で忙しい感じだったから家事とか子供ん事とか
全部母さんがやってて。」

「そっか。」

「だからいっつも叱ってくるのは母さんだった。」


だんだん小さくなってくる京くんの声。


「母さんを…」

「ん?」

「母さんを殺したのは俺だ。」


その場で蹲る京くん。


「俺が母さんを殺したんだ。」


…私は京くんを抱きしめる。



それぐらいの事しかできないから…。






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