澄んだ瞳に




お兄ちゃんに、からかわれて、せっかくの淳と過ごした夜が、台無しだ。




二人で食卓に付く。




パパは先に済ませたみたいで、コーヒーを飲みながら新聞読んでいた。




私は、お兄ちゃんとは目も合わせることなく、黙々とホットサンドを食べた。



飲み物は、もちろん、アイスミルクティー。




お兄ちゃんが、淳に教えたのかな?


私が、アイスミルクティーが好きだっていうこと…



お兄ちゃんに、聞いてみたかったが、パパがいてる前では、聞けないか……。


また、今度にしよっと。




「昨夜は、楽しいかったな……淳君とも久しぶりに逢えたし……、ついつい飲み過ぎてしまった。」



と、パパが急に話出した。


「淳君が、澪の旦那さんになってくれたらな……、いつでも、お酒を酌み交わせるのにな!」



ブッ!!


お兄ちゃんが、コーヒーを吹き出してしまった。



で、私は、パンを喉に詰まらせ、噎せ返った。


ゴホンッ、ゴホンッ……



新聞に目をやってたパパは、この兄妹の状況を見ていなかった。




そこへ、ママが来て、私の横に座り、斜め前のお兄ちゃんを見て、



「悠哉、コーヒーこぼしたの? シャツが汚れてるわよ。しっかりしてね?今年25になるんだから……。」




夫婦揃って、KYだ。






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