澄んだ瞳に



ドアをノックする音がして、『会長ご夫妻がおみえになりました』と、言って、ドアが開けられた。



あ〜…どうしよ……


口から心臓が飛び出しそうになる



「待たせて、悪かったね…」



声がした方に顔を向けた…

すると、そこには、淳と負けず劣らずの、イケメンのおじさんと、これもまた美人のおばさんが立っていた

いや、お父さんとお母さんだ……


負けず劣らずというよりは、淳とソックリだったのだ


ご両親は、上座に座り、私たちと向かい合わせになった。



「急なことで、すまなかったね…」

と、お父さんが言った



「親父、お袋、こちらが奥園澪さん…澪、俺の親父とお袋…」


と、淳がお父さんたちと、私にそれぞれを紹介した。


「は、初めまして…奥園澪と申します…」

とりあえず、自己紹介は出来た…



「初めまして、澪さん…私が淳の父親で、こっちが母親だ…」

と、お父さんが言った。


そして、お母さんも


「初めまして…淳の母です」


と、言った。



「淳に聞かされてはいたが、可愛らしいお嬢さんだね…淳が一目惚れしたのも、無理はないね…」



「ほんと…淳には、もったいないくらいのお嬢さんね…」

と、淳の両親が言った。



「親父もお袋も、あまり変なことを言わないでくれよ…」


と、言った淳は照れていた


「でも、不思議ね…あなたたちを見てると、昔の私たちを見ているようだわ…」

と、お母さんが言った



「どういうことですか?」

私は思わず質問していた…


「…いえね…」


と、言ったお母さんは、思い出し笑いをした後、お父さんとのことを、話してくれた…




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