澄んだ瞳に

彼の両親



お店の中に入るとすぐに、店員が出迎え、個室へと案内された。


準備をして参ります。と言って、一旦部屋から出て行った。



「飯食う前に、先に、話しておきてぇことあっから……」

と、淳が言った


「話しておきたいことって……?」

淳の話しには、ビックリさせられることが多く、内心ドキドキしていた…



「旅行の前に、親父たちに逢ってもらいてぇ…」

やっぱり思った通りだった…

でも、今朝から気になっていたことだったから、素直に返事が出来た。



「うん…私も淳のご両親には、お逢いしたいと思ってたの…」



「そんなら、話が早いな……」



「話が早いって……?」



「もうすぐ来ることになってる…」


来るって言った!?

…ってことは……



「え―――――っ!?」

思わず声が大きくなった



「でけぇ声出すなって…」


「……だって…」


いきなり!?

心の準備も出来てない…

それに服だって、無茶苦茶普段着だし…



「すまねぇな…時間がなくてな……」



「それだったら、言ってくれれば良かったのに……」


「わりぃ…その時間すらなかったからよ…」



「どういうこと?」



「お前の家に行く道中、親父に連絡したら、明日から夫婦で旅行に出るって言うからよ…」



「じゃ、お帰りになってからでも……」



「帰るのが、1年先だぜ…待ってられっかよ……」



「い、い、1年も…?」



「あ〜…世界一周、船の旅」

やっぱり、規模が違うわ…


「ハハッ…そうなんだ…」


「そういうことだ…わりぃな…」



こうなったら、腹をくくるしかない……

少しでも、ご両親のこと、聞き出さないと……



「淳のご両親って、どんな人なの……」

と、淳に聞いた時だった…




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