澄んだ瞳に



淳にやり込められたおかげで、さっきまでモヤッとしていた気分が晴れた。



また淳が同じことを言った

「こっち、見ろって…」


私は、はいはい!!と言って、淳を見た。



「海が見えて、きたぜ」


淳は、それを言いたかったんだなと思った。


いつも言葉足らずで、戸惑わされることが多かった。



私は、地平線と平行して走っている風景を、ずっと見ていた。



青い海、入道雲、照りつける太陽……夏らしいお天気も、全て、一つのキャンバスに収まっていた……


また、私の想い出の一つに加わった。




ふぁ――

「あ〜…よく寝た…」


ややこしい奴が目を覚ましたようだ。


お兄ちゃんは、欠伸をしたが、私はムードをぶち壊されて、はぁ〜…と、溜め息が出た……



「淳、運転変わるぜ…?」

と、お兄ちゃんが言った



「もう着くぜ…」



高速を下り、海岸沿いの道を走る。


淳から告白を受けた、あの日とよく似た光景だ。


水面が、キラキラしていて、所々小さな白波が立っていた。



私の目の前から、海が消えた。次の瞬間、目に飛び込んで来たのは、真っ白な壁……ホテルに着いた…






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