LOVE IDIOT



ドクンッ



「・・・っ」

昔の記憶が蘇る。

君のぬくもり、君の笑顔。
全てが大好きで。

でも、もう君には―――寄りかかれない。





『涼ちゃーん、歯磨きしよーよ』

『ん』

あの頃の私はまだ馬鹿でチビでハナタレで、恋の『こ』の字も知らなかった。



―――――10月10日。



早瀬・宮比、まだ12歳。
そして佐山・涼、15歳。

未だに涼のことは女の子だと思い込んでいた。

『さーアンタ達、もう寝る時間よ!さっさとベッドに入りなさい!』

『はーい!』

私達は自分たちの部屋に向かって行った、と言っても、同じ部屋でベッドが二つあるだけなんだけど。

『ベッド、フカフカぁ・・・』

すぐに眠りにつこうとした私、急に暖かい感触が。

『へ?』

『一緒に寝ていい?』

『あ、うん!久しぶりのお泊まりだし、良いよー!』

『ありがと』

その時の笑顔は暗くて見えなかったけど、なんだか微笑んでいるのは空気で分かった。
涼のハスキーボイスは、私の胸をいつもキュンとさせる。

『じゃあ、涼ちゃんは私の抱き枕だ!』



ギュッ



『っえ』

『ん?駄目だった?』

私は思いっきり涼に抱きついた、ホント今思うと私って大胆だったんだなぁ。
でも、あの時は後悔しなかった。

『じゃ、おやすみー涼ちゃん』

目をつぶって、涼の胸にうずくまった。
暖かくて、ちょっと速い心臓音がトクントクンと私を安心させた。

『・・・宮比』

『っ!!』



ガバッ



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