LOVE IDIOT
眩しい夕陽。
鋭い逆光が映したのは薄らと私を睨む鋭い視線。

そんな華に少し、恐怖した。

「なんで・・・」

息詰る声で華は言った。

「・・・なんで宮比は、いつも・・・いつもだよ!?」

「(い・・・いつも・・・?)」

悲しむ目。



「いつも・・・無理ばっか・・・」



・・・嬉しかった。

喉に何かつっかえてる感じ。
胸が急に、止まった気がした。

「む、無理なんて・・・」

「無理してるよ!なんか・・・自分のことは二の次っていうか?頼ってよ!!親友じゃん!!」





『親友じゃん!!』





全部の言葉が胸に突き刺さった。

振り乱す華。
怒る華。

叫ぶ・・・華。

「それとも・・・そんなに深刻な事になってるわけ・・・?」

涙目な私達。
華はもう既に流していた。

「教えてよ・・・っ」

もうこんな華・・・

「華っ・・・!」

「宮比ぃ・・・っ」



見てらんないよ。



「全部、教えるから華・・・」

「宮比ぃ・・・!」

ごめんね華。
なんで私、こんなにも馬鹿なんだろう。

「こ・・・今度カップケーキ作ってあげるから・・・っ!!」

「あはっ・・・」


なんだかまたちょっぴり、華に近づけた一日だった。


そして土曜日。


気晴らしに華と鈴洋通り(すずようどおり)に出かけた。
鈴洋通りはオシャレな通りで有名なのだ。

可愛いケーキ屋さん、華の大好きなワンピースが沢山並べられている。





「佐山先輩とケンカ?」

「うんまぁ・・・今回は私のせいなんだけど」

「イチゴパフェのお客様」

「あ、私ですっ」


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