LOVE IDIOT
「テメェっ!!」

「死んどけ」





ドゴッ!





「(し・・・死んどけっ!?)」

涼は片っ端から男子達を殴り倒していく。
う、うわぁ・・・

「(涼ってこんなに強かったっけ!?)」

ホント、驚くどころか一瞬だけ(ほんの一瞬だけ)涼が格好良く見えた。
そして、昔みたいに胸がキュンと跳ねた。

「こ、こいつ・・・!」

「なにウスラトンカチ」

「ウ・・・!!?」

「ぃ、言わせておけばぁっ!!」





ドゴッ





す、凄い・・・涼は一瞬にして一人、また一人と倒していく。
私もあんなに強かったらこんなことには・・・

そして最後の一匹。



「君、そこ退いてくれない」



私の上に乗っている男子。
かすかに手が震えていた、私の方がもっと震えてるけど。

でも、もうそんなこと―――――どうでも良い。

涼が助けてくれるなら。

「く・・・クソっ!!」



ダッ



「(暑い・・・)」

さっきまでいた男子達はそそくさと逃げて、私達だけを残した。


そして、ひと欠片の恐怖心を植え付けて。


「り、涼・・・!!(う、動けない・・・)」

どうしよう、どうしよう。
怖くて腰が抜けていたみたいだ。

無駄に涙は流しても、力が入らない。

「宮比、大丈夫?」

「だ、大丈夫じゃない・・・」

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