LOVE IDIOT
そういうと社長達はそそくさと帰っていった。
へ、華に手出したからだ。

ざまーみろー。

「「あ、ありがとうございました!!」」

「可愛い子のためならなんだってやるよ」

その人は目が輝いて、髪は涼と同じ栗色(少し濃いめだったかな)。
肩まで長くて、結べるほどの長さだった。

「それより、もう貸し切りになっちゃったから入れば?俺、見張っててあげるよ」

「ほ、本当ですか!?」

「(やっと入れるー!)ど、どうも!!」

「ん(にこ)」


 * * * 


「はぁ〜・・・」





カポ〜ン





「良い人だったねぇ、宮比」

「・・・私、最初女の人かと思った」

「私も!でもさっき『俺』って言ってたよね」

「だよねぇ・・・」

誰もいない露天風呂、二人だけで入るとさっきより広く感じる。
・・・さっきの人、かっこ良かったなぁ・・・

背が高くて、髪を結んでて、手がちょっとゴツゴツしてた。

タバコとか似合いそう。

「あの一つ結びが良いよね・・・」

「あ、やっぱり宮比も思った?超カッコ良すぎだよ・・・笑顔とか、反則」

「(また会えるよね)」





・・・トクン





「宮比、顔真っ赤だよ」

「えっ!?///」

驚いた私は火照った顔を触る。
ほ、本当だ・・・熱い・・・

しかも、心臓が少し速い。



・・・『恋』?



「(駄目だ・・・さっきの人が頭から離れない)」

「もしかして・・・一目惚れ?」

「っ!!!///」

「あ、うそ!?」

揺らぐ髪、整った顔。
ヤバい、惚れた。



・・・かも。



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