転んだら死神が微笑んだ
わたしの席は校庭がある窓側の席で、その日は風が気持ちよく、白いカーテンを揺らしながら入ってきていた。

わたしが目をつぶってその風を感じていると、窓の閉まる音とともにその風がさえぎられた。

びっくりして目を開けると、窓を閉めたのはよく知っている女の子で、さっきばらばらに席に座っていった一人だった。

わたしをにらむような目つきでそそくさとその場を逃げていった。

わたしは驚きのあまり、教室のある点々を見回した。


さっきのグループの女の子たちが、みんなわたしをにらんでいた。



怖かった。



なぜ、怖かったかというとその女の子たちが昨日まで見せていた顔はみんな笑顔だったから。

あんな顔を見たことがなかったから。



だって、その女の子たちは『友だち』だったはずだから。


その日の授業は、まったく集中ができず、先生の声はむなしく外に響いていた。
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