転んだら死神が微笑んだ
2階に着いて、そのまま女将さんについて行く。

雑貨屋、洋服屋さんを通り過ぎて行くと、コーヒーのいい香りがしてきた。

あかり「あ…。」

有名なコーヒーカフェだ。

まさか…、この町にあるとは思わなかった。

ショッピング・モールの意外な伏兵に、簡単にやられてしまうわたし。

そのカフェを境に、まわりはレストラン街へと姿を変えた。

女将さん「あ!ここ、ここ。あかりちゃん、着いたわよ。」

あかり「ホントですか。」

ほのかに香る甘い匂い。

こういう匂いって、やっぱりそそられるなぁ。

女だからかな?

店員さんに案内されて、中に入ると、店内はざわついていた。

女性客のおしゃべりだ。

ケーキを食べながらの話は、明るい話題で持ち切りで弾んでいる。

…。

いや、よく見ると笑顔ではない。

笑顔は、笑顔なんだけど…。

なにやら、ひそひそと話し盛り上がっている。

ひとつのところに視線は集中して。
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