転んだら死神が微笑んだ
わたしは、てっきりこの子の家は、そんなに遠くにないだろうと思っていた。

いつもの道が、いつもとは違う道になっていく。

あかり「どこまで行くの?」

ひより「もうちょっとよ。」

知らないところを歩いていた。

どこ行くんだろう?

普段、わたしが行かないようなところをどんどんと進んでいく。

景色が変わるにつれて、わたしには、よくない不安がおそってきていた。

もしかしたら、この子はわたしをダマしていて、へんなところへ連れていって、とんでもない目に合わせようとしているんじゃないかって。

きっと、普段のわたしが気にいらなかったんだ。

わたしがこの子の前に座ってだらだらやっていたから、それを見るたびにこの子はムカついていて、とうとう今日という日に、その不満を爆発させ、何かをしようとしている。

そんな考えが、わたしの頭をグルグルとかけめぐっていた。
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